(画像をクリックして拡大)
 |
飯田樹さんを囲んで |
飯田 樹さんの世界を展示する写真展が、いすみ市の『田園の美術館』で開催されました。丸太の梁を使った高い天井と広い会場は、猛暑の日を忘れさせてくれるように海の作品とマッチングし、涼しげな雰囲気を醸し出していました。
九十九里から勝浦にかけての外房の海をテーマに、25年間取り組まれた作品群は、海辺の光景は勿論、夏に咲くハマヒルガオや勇壮な神輿が海に入り揉み合う秋の『はだか祭り』、透過光に輝く美しい波上で躍動する若者たちの『サーフィン』など様々です。波の音や祭りの歓声までが聞こえてくるようで、変化のある62点は流石「林 忠彦賞」受賞者ならではの完成度の高さを感じさせてくれました。
ご挨拶の一文で、東日本大震災で被災に遭われた子ども達の一人による「海はもう大嫌いだ!」との作文に心を痛めた飯田さんは、鎮魂の意味を込めて「いつか海を許して欲しい。海は広く大きく、美しく、私たちに希望と勇気を与える存在であって欲しいと願っています」と結ばれています。海を愛する飯田さんならではのお言葉と強く心に残りました。(記:照内美栄子)
|
|